今年も1月10-13日朝6時と夜7時半、御正忌報恩講を勤めさせていただきました。10日のお朝事は大雪の中、3名お参りいただき、有難くお正信偈をあげ、御伝鈔上巻1,2段を拝読しました。12日の夜座は、子ども報恩講で、宗祖讃仰音楽法要を子どもたちの雅楽の演奏で、お勤めし、親鸞さまのご苦労を偲ばせていただきました。
今年は、御伝鈔の他に、立教開宗800年慶讃法要の御本典作法の表白を披露しました。わかりやすい口語体の表白でしたので、茲に掲載して、皆様とご一緒に味あわせていただきます。
(前略)謹んで思いますに、宗祖聖人は、承安3年1173年、京都日野の地で御誕生になられました。9歳で出家得度され仏門に入り、比叡山で学問と修行に励まれましたが、自らの力では断ち切れない煩悩の深さを自覚され、29歳の時、山を下りられました。そして、真実の救いを求めて六角堂に参篭された後、法然坊源空聖人に出遇われて、苦しみ悩むすべてのものを見放すことなく、そのままに救い取り、悟りの世界へ導こうと誓われた阿弥陀如来の本願を信じ、お念仏申す身となられました。
35歳の時、専修念仏の停止により、越後にご流罪となられますが、自ら愚禿と名のり、非僧非俗の仏道を歩み出されました、赦免の後は、恵信尼公やご家族とともに関東の地に移られ、およそ20年の間、多くの方々とともにお念仏を喜ぶ生活を営まれ、元仁元年1224年には、浄土真宗の根本聖典である「顕浄土真実教行証文類」を執筆されて、浄土真宗をお開きになりました。
後序に「深く如来のコウアイを知りてまことに師教の恩厚を仰ぐ、慶喜いよいよ至り至孝いよいよ重し。」と示されるように南無阿弥陀仏のお心を知らされ、七高僧の教えを仰ぎつつ御本典を著されたことを、慶びをもって明らかにされています。
まことに、変化し続けるこの世の中で、自分本位にしか生きられず、無明煩悩の闇の中に沈む私たちが、如来の智慧と慈悲に照らされて本願念仏のみ教えに出遇い、仏法を拠りどころとして、生きていく道を歩むことができますことは、ひとえに聖人が御誕生になり、浄土真実のみ教えを明らかにされたことによるものであります。
いま。ここに、みなさまとともに聖人のお徳を讃えることができますことは、無上の喜びであります。この上は、宗祖親鸞聖人のお心を受け継ぎ、いよいよ聞法求道に精進して、如来の智慧と慈悲が、一人でも多くの方に伝わることで、人々の悩みや苦しみに寄り添い、喜びや悲しみを分ちあい、誰もが心豊かに生きていけるような社会の実現に努めます。
桃谷山法泉寺住職、釋法信、謹んで申し上げます。
●御正忌の準備、ありがとうございました。
1月8日恒例の御正忌準備(お磨きとお華束づくり)には、20名ほどの方が加勢され、きれいにお飾り御荘厳をして下さりありがとうございました。おかげさまで、2025令和7年の御正忌をお勤めすることができました。
しっこりさん ⑪どんつじ
いつやったか、忘れたばってん、しっこりさんの「どんつじ」に登っていきよらしたけん、なしてかにゃーて思うて、こそっと後ろからついて登ったギー、上ん広場の地蔵さんの前にすわって、拝みよらしたけん、気づかれんごと、木の陰から見よったぎー、ないじゃろ、お経んごたあとば、ブツブツ言いよらした。見つからんごと、はよ帰らんばと思うて、山ば下ったばってん、しっこりさんな、お経も知っとらすと思うて、不思議やった。
「どんつじ」ちゅうとは、濁り渕ちゅう堤んきわにあー小高か丘で、むかし、疫痢やら赤痢やらで、子どもたちンようけ、亡くないよったけん、みゃーば(舞原)の人たちが、お地蔵さんばまつって、子どもん無事に育つごと、赤ちゃんの生まるっぎ、よだれ掛ばつくって、お地蔵さんにみゃーいよらしたちゅう言い伝えのあって、今でんそがんしよらすごたっ。
5月の地区の区役ん時、女子衆は、掃除ばして、法泉寺のご院家さんのあげらす十二礼ちゅうお経ば一緒にお勤めしてから、班長さんの用意さしたタケンコ煮しめやてんぷら、ちくわで、いっぴゃあ飲むごとなっとお。子どもたちにゃ、お菓子ば配らす。葉桜のきれいかとん、何本も植えちゃっけん、空気もうまかばい。
しっこりさんな、うまか空気ば吸いぎゃ、登らしたとやろか、いんにゃ、後からよう考えたぎ、どうも、子どもさんば亡くさしたかもしれん、て思うた。
●「九州真宗の源流」展
福岡市博物館の上記展覧会へ、研修に行きました。九州各地の70ヶ寺の真宗寺院から提供された160点の宝物が一堂に展示されてありお念仏が各地に伝えらえれた概要をとらえることができました。参加者は15名でした。
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博物館玄関で集合写真 大宰府(昼食 写真なし)バスの中 カエル寺境内
●2月の行事予定(住職動静)
2日 連研修了者大会(本願寺佐賀教堂)岩永久止さん福田昭夫さん町野進さん参加
6日,20日伊万里栄町歌う会
7日 松浦組組会議員総代研修会。伊万里山平
13日 初お講*18時~お斎代わりのお弁当
*19時~お勤め、法話。
18日 曲川小学校学校運営委員会 10:30~
28日 外尾山高齢者サロン説法ライブ
★東井義雄先生の言葉⑬ そむいているときも御手の真ん中
私が「癌」にとりつかれたり、大切な息子が、突然、意識不明になってしまったりしたことを知られた北海道の未知のご婦人から、分厚い封書をいただきました。
「阿弥陀さまや親鸞さまを頼りにし、法華経に尻を向けているから、仏さまが仏罰をおあてになったのです。日蓮大聖人様も「念仏無間」とおっしゃっているではありませんか。「念仏無間」のお言葉そのままの事に出遭っておられるのです。寺の住職としての体面もあるでしょうが、そんなものは潔く振り捨てて法華経と日蓮大聖人様に帰依しなさい。災難はたちどころに消滅します。私が自分の体験で申し上げているのです。まちがいありません。」
という趣旨の手紙でした。遠く離れた見たこともない他人のために分厚い手紙を下さったのは、本当の親切心からのことであったと思います。
▼さて、東井先生は、この手紙に返事を出されます。どんなことを書かれ たか、続きは次号で。
2025.2桃谷法信
親鸞さま略伝